障害のある息子二人と父親一人 56才からのチャレンジ

私は1人親ですが、息子は2人とも障害者です。定年が近づき、親なきあと、を真剣に考えるようになりました。近年災害も多いので障害者の防災の準備もしています。

楽しい海、心癒やされる海。そんな海で私は1度しくじった。バイクごと海にさらわれた。危険を認識した上で楽しんで!

今週のお題「海」

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私の実家は九十九里浜から直線で10kmくらいのところにあった。

20代前半のころ、私はオフロードバイクハスラーに乗っていた。

海がシーズンオフになると人はほとんどいなくなる。
そんな時、私は砂浜を走りに行ったりしていた。

その日は朝から雨が降っていたが午後から上がった。
ウェットになった砂浜は走りやすいと思って、バイクで出かけた。

砂浜を走っていると、小さな川が海に流れ込んでいるところにやってきた。
川幅はざっと3mくらい、川の表面も静かに見えた。

大丈夫、通過できる!
前輪が半分くらい水の中に入った。でも大丈夫そうだ。
アクセルオン。

突然前輪が沈んだと思ったら、ハンドルまで沈んで前のめりになった。

 まずい!
と思ったが自分の力ではもうどうにもならない。
エンジンが止まった。
そこで一旦記憶が止まる。

次に覚えているのは、バイクは完全に水没して見えなくなった。
自分はとういうと腰くらいまで水につかっている。

砂浜はすぐ近くに見えるが、砂浜から遠ざかっていく。
もがいても、自分の進みたい方向へは行けない。
ものすごい水の流れだ。

波にさらわれる!
死ぬってこと。本当にそう思った。

九十九里浜は波の引きが早いので気を抜くな。
と母と海へ行ったときは必ず、くどいくらい言われていた。

毎年何人かの方がお亡くなりになっている事実もある。
ヒザくらいの深さで遊んでいてのに、波にさらわれた。
と何度となく聞いた。

高校の同級生も、良く慣れているはずの浜で波にさらわれた。

浜に上がらないと。
どうやっても浜に近づけない。遠ざかっていく。
足は着いているが、進めない。
腰から上は水の上にあるのになんで進めないんだ!?
これが波にさらわれるってことか。

その時、頭の中で言葉が浮かんだ。
潮の流れに逆らうな!

大人がいろいろ話していたことを自分なりに解釈していた。
潮の力に人は勝てるはずが無い。
溺れるのは、潮の流れに逆らって慌てるからだ。
浜から海へ向かう引き潮の流れは、また浜に戻る。

浜からは遠ざかることになるが、足を動かせる方向に向けてみた。
歩ける。
浜に戻らないとと思っての、もがき、焦り、死ぬかも。
歩けたことによって、ちょっと落ち着けた。

ゆっくり、潮の抵抗の少ない方、少ない方へと歩きながら浜に戻ることができた。

呆然!

死ななくて良かった、バイクが。。。とか、
浜に戻った時は、何にも考えていなかったように思う。

砂浜に戻って、海を見ていると、少し沖の方でバイクのハンドルが見えてきた。
九十九里浜は遠浅なので、浅いところを流されているらしい。

しばらくしてまたハンドルは見えなくなった。

またしばらくするとハンドルが見えてきた。
だんだんハンドルが浮き上がってきた。

浜に戻る潮の流れにのったのか?

今度は車体も見えてきた。
ついに、波打ち際にハスラーが打ち上げられた。

海に入るのはちょっと怖かったが、なんとかバイクを回収した。

携帯電話など無い時代なので、浜からバイクを押して修理工場まで押していった。
エンジンとか、洗浄すれば何とかなるかも?
といわれたので洗浄してもらって、バイクは復活できた。
ただ、クランクケースからはいつもガラガラ音がするようになっていたが。

この時、本当の海の怖さを思い知らされた。
浅いから大丈夫!
そんな考えは海には通用しない。
浅くても超危険なエリアがある!

子供が生まれて、海へ遊びに行ったこともある。
その時の記憶が必ず蘇った。
息子には障害があったこともあるが、息子が海に入るときは必ずぴったり付いていた。
もし、潮に流されたらどうする?
といつも考えていた。

最近は浜辺で遊ぶ、ということは無くなって。プールだけだ。

プールは海に比べたら安全だと思う。
ただ時々見るのが、水面から肩の出ていない小さな子供が1人で遊んでいたりする。

海、プール、楽しさ満載だ。
危険があることを十分認識して、楽しい思い出だけが残りますように!